TOC理論で「家事の流れ」を効率化します
家事に追われる毎日は、やることが多すぎるからではありません。
原因はボトルネック(流れを止める要因)。TOC(制約理論)の視点で家事全体を「流れ」として見直すと、時間と気持ちに余裕が生まれます。
TOC理論って?
TOC(Theory of Constraints:制約理論)は、工場の生産性を上げるための方法論です。
製造業のお仕事と家事は実はとってもよく似ています。
どちらも「連なった工程の流れ」でできています。たとえば洗濯なら「洗う → 干す → 取り込む → しまう」。
この中で流れを阻害しているところをボトルネックと呼びます。実はそこを整えるだけで、全体が一気に回り始めます。こんな単純なことでいいの?って思われるかもしれませんが、
実際にこの手法で製造業のお客様の業績を何社も改善してきました。

よくある課題
- 洗濯・料理・片づけが同時進行で、いつも時間切れになる。
- 「私ばかり家事をしている」と感じ、夫婦でギクシャクする。
- 計画倒れになり、子どもと向き合う余裕がなくなる。
こうした問題は、努力や根性ではなく仕組みの問題。詰まっている工程(ボトルネック)から整えるのが近道です。

進め方(三ステップ)
一. 家事フローを書き出す
洗濯・料理・ごみ捨てなど、工程を箇条書きにして見える化します。見える化だけでも、重複やムダ・待ち時間が見えてきます。
二. ボトルネックを特定する
どの工程が一番さばけないか、時間やスペースの制約が強いかを見極めます。
洗濯なら「干すスペース」、洗い物なら「シンク」、ごみ捨てなら「ゴミ箱の容量・数」など。
三. 制約に合わせて全体を整える
制約(ボトルネック)を中心に、量・回数・配置・役割分担を調整します。「一番細いところが詰まらない流れ」を作るのがコツです。
家庭での具体事例
洗濯:制約は「干すスペース」
- フロー:洗う → 干す → 取り込む → しまう
- ボトルネック:干すスペース(容量)
- 改善:干せる量以上を一度に洗わない/洗濯回数を増やして分散する
- 効果:「洗ったけど干せない」の待ちが消え、全体の回転が安定
洗い物:制約は「シンク」
- フロー:集める → シンクに運ぶ → あらう → すすぐ → ほす → しまう
- ボトルネック:シンク(処理能力)
- 改善:小ロット洗い/器具をローテーション使用
- 効果:溜まる前に流れが回り、家事全体が短縮
ごみ捨て:制約は「ゴミ箱の容量・数」
- フロー:集める → 袋にまとめる → 指定場所へ出す
- ボトルネック:ゴミ箱の容量・数
- 改善:容量とサイズを統一/動線上に集約
- 効果:捨て忘れや溢れが激減し、回収効率が向上
TOCで家事はこう変わる
- 「やることに追われる毎日」から「余裕のある毎日」へ。
- 分担がしやすくなり、夫婦のギクシャクが減る。
- 生まれた時間を、子ども・休息・趣味に振り分けられる。
仕組みが回れば、家族の笑顔が自然と増えていきます。