【お客様の声】大塚家ご夫婦より 003

モノに辞令!?ご夫婦と一緒に擬人化メソッドをやってみました

先日、モニターとしてご協力いただいた経営者ご夫婦のお宅に伺い、
「かじお式 擬人化メソッド」を一緒に行ってきました!
このメソッドは、ただ「捨てる・残す」を決めるのではなく、
モノを社員に見立てて「新人・現役・外注・ニート・定年」などの役職をつける整理法です。
ちょっと遊び心がありますが、やってみると不思議と判断がスムーズになるんです。

■ 付箋ワークでスタート

事前にヒヤリングをしたところ、
今回は、クローゼットを改善したいとのことでした。
まずはご夫婦に付箋を使ってクローゼットの「困っていること」や「良くないこと」を書き出してもらいました。
普段なら言いにくいことも、付箋に書くと素直に出てくるから不思議です。

まず目に飛び込んできたのは、「服が多すぎる」と「とにかく多い」という付箋でした。ご夫婦の考え方の共通点も違いも視える化できました。
書き出していただいた付箋の原因と結果を考えながら不足している付箋を付け足していきます。
ある付箋は、困っていることの原因でもあり、困っていることの結果でもあります。
これらの関係性を意識して付箋と付箋を繋げていきます。
これらを上下に関連付けて繋げていくと、現状を表したツリー構造の図が完成します。

原因や結果を考えるたびに、行ったり来たりして、徐々に合意を形成しながらツリー化させます。
これをやることでクローゼットで困っていることや良くないことの原因と結果がツリー状に構造化され、視える化されるのです。
これはまさにTOC研修の思考プロセスのワークで培ったノウハウが生きています。
次に、ネガティブな意味合いの付箋を、
ポジティブな意味に変えて、張り直します。
こうして出来上がったものが、
下から上に向けて改善のステップが記された未来の構造ツリーとなります。

ここで、
共通の認識として、理想と現実を表したツリーが出来上がるわけです。
このギャップを埋めるのが、具体的な対策となります。
今回は、擬人化メソッドと整理収納となります。

■かじお式擬人化メソッド~役職仕分けが盛り上がる!~

擬人化メソッドは、モノに役職を与え、役割と出番で冷静に判断できるようにする仕組みです。
役職は新入社員、現役社員、ニート社員、定年退職、外注さんの五つです。
配置と適量を、家族で合意しながら決めていきます。実際にモノを役職ごとに仕分けていきます。
「これは新人だからまだ試用期間かな」
「これはもう定年退職でいいよね」
ご夫婦でそんな会話をしながら、笑いも交えて進められました。

普段なら「捨てる?捨てない?」で揉めるモノでも、役職があるといつもと違った目線で判断できます。
社員に見立てて役職を与えるには、④つの評価基準が必要です。
①入社時期:いつこの家に来たのか。
②出社頻度:どの程度使われているか。
③活躍度:物として活躍しているか。
④愛情度:愛着の度合い。
この④つの評価基準から、物を5つの役職に分けるのです。
詳しくは、「かじおの擬人化メソッド」を→クリックしてください。

本来、整理収納のノウハウでは、物を4つの領域に分類します。
スタンバイ、アクティブ、プロパティー、スクラップとあるのですが、
なかなかお客様に一回で覚えてもらいにくいのと、
どれがどの意味でどの役割かを考えながら作業をするのは、
難しいものです。

かじおのサービスをご利用していただいているのは、ほとんどが経営者です。
家庭を1つの会社ととらえ、物を社員とその役割に置き換えると、お客様も驚くほどスムーズに理解されて、即作業に入れます。
この日はお子様(小6)も一緒に手伝ってくれましたが、
意味も内容も理解してご両親と一緒になって作業を手伝ってくれました。

■ 辞令交付で大爆笑

仕分けの最後は辞令交付!
「長年ありがとう、定年退職です」
「めでたく現役復帰です!活躍を期待しています!」など、
辞令の中身はご家庭によって自由に決めてもらっています。
特に印象的なモノや、決心を必要としたものには、感謝の気持ちを伝えるために辞令書を作成します。
紙の辞令を手渡すと、ご夫婦で笑いながら受け入れてくれて、
片づけというよりイベントのような雰囲気になりました。

この日の事例は、旦那様と奥様で1枚づつ辞令を出しました。
旦那様は、「ラルフローレンのジャケット」
奥様は、「ハナエモリのワンピース」でした。
2つとも特徴的でした。まずラルフのジャケットは、存在すら認識されていないものでした。改めて羽織ってみると、サイズはばっちり。季節もこの冬に着れるものでした。ですので現役への復帰が命じられました(笑)

奥様のワンピースは、結婚前の顔合わせの時に着るために購入した思い出の深いものでした。
ただ今は着る機会がなく、クローゼットで眠り続けていました。
そこで、せっかくなので今着てみようということになり、しばらく着用したまま作業を行いました。着てみたことで気持ちの整理がついたようで、このワンピースはめでたく定年退職を迎えることができました。

■ ご夫婦の声

経営感覚で家庭の「片付け」を実現!感情と仕組みの整理で手放せない服と決別できました
■サービスを利用する前の状態と「付箋」を使った最初のステップについて
服の量が多いという現状に気づかされました。
また、「もったいない」という気持ちや、「今後痩せるから着るだろう」という思い込みが、服を手放せない主な理由であると分かり、整理に対して非常に有効でした。

特に、付箋を使って事前に「なぜ捨てられないのか」「取っておいているのか」を明確に書き出したことが大変良かったです。
これにより、「いくらで買ったか」など、自分がその服に対して抱いている強い思いをまず自覚することができました。
この自覚があったからこそ、後で仕分けをする際に感情的にならず、「気持ちを切り替えることがしやすかった」と感じています。また、二人で作業を進める中で、お互いの価値観の違いが把握できた点も収穫でした。

さらに印象的だったのは、
服を捨てられない理由として、「義理の母から定期的に貰う洋服が着ないけど無下に捨てられない」という意見が出た一方で、「娘が着るかもしれないから服をとってある」という理由が出てきました。
世代を超えたループが発生していることも認識できました。

■「擬人化」による意識改革と意思決定

実際に服を仕分ける作業で「擬人化」を行ったところ、大きな気づきがありました。まず、自分のクローゼットという「大会社」の中に、「知らない社員(服)」が非常に多くいるということに気づかされました。
擬人化することで、「それぞれの人がどういう特性を持っているのか」といった管理ができていない状態にあることを痛感しました。
しかし、私が経営者であるため、擬人化によって整理を「経営」と結びつけることができ、「スパスパスパっと意思決定ができる」感覚を得ることができました。

特に心に残ったのは、服を「現役社員」「退職社員」「ニート社員」などに分けることで、それぞれの服にまるで顔が見えてくるような感覚があったことです。そして、「ニート社員」が、ここにいて活躍する場もなく、ただただかわいそうである、何のために出社しているのだろう、という点に思いを馳せることができ、整理への意識が大きく変わりました。

■整理術の家庭への適用と具体的な成果

工場勤務の経験から5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)の重要性は理解していましたが、仕事でできたことが家庭でできるとは限らないと考えていました。しかし、今回このメソッドを家庭に適用したことで、仕事とプライベートは別であるという意識が変わりました。

家庭で整理を進める上では、妻や配偶者との都合があり、いかに価値観を合わせ、コミュニケーションを取りながら合意していくかが非常に重要であると痛感しました。この仕組みがあることで、「必ず家庭でも5Sができる」という確信を得られました。

具体的な成果としては、ずっと手放せなかったものの、どうせ着ることもなかっただろうと思われる、あるワンピースを、意思決定して手放すことができました。これは、擬人化、実際に着てみるという行為、そしてその服に対するこだわりを書き出すことで、自分の中で「ふんぎりがつけられた」からです。

TOC(制約の理論)のような仕組みは会社だけでなく家庭においても非常に効果的だと感じました。感情論に流されず、事前に意思を合わせ、実行し、合わなければフレームワークを使って整理し直すというプロセスが大切です。また、ファシリテーターとして原さんがいてくれたことで、状況を「中和する」役割を果たしてくれたことも大きかったです。
未練からの解放」という、大変良い言葉で今回の経験を言い表すことができ、心から感謝しています。

追記:後日改めてご連絡をいただきました。「先日出来なかったコートなども実施しました。
今日は息子たちに「ニート、現役、退職」で分けてみてと言ってみました。
ファシリなしでどこまでできるか。。。ですがクローゼットがすっきりしました。」
とのことで前回と今回の不用品をリサイクルショップに売りに行ったそうで、
レシートも合わせて送ってくださいました!
レシートによるとなんと合計147点のお洋服が定年退職して第2の人生を歩みだしたようです(笑)

■ まとめ

今回改めて感じたのは、擬人化メソッドは“片づけを家族のイベントに変える”力がある ということ。
「捨てる」ではなく「人事異動」と考えるだけで、片づけがぐっと楽になります。
そして何より、笑顔が増えるのが一番の効果だと実感しました。
では株式会社大塚家クローゼット部の人事異動報告を行います。

今後もこうした実例をどんどん発信していきますので、ぜひ楽しみにしていてください!

 

 

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