よくある課題

〇「なんでこんなモノを置いておくの?」とケンカになる
〇夫婦で片づけの基準が合わず、話し合うたびにすれ違う
〇片方だけが家事を抱え込み、不満がたまっていく
付箋ワークで価値観を共有する
家庭と円満な関係を築くには、まず「共通の認識」を持つことが重要です。
付箋ワークの目的は、家事や整理収納における家族間の感情の相違や摩擦という現実と、
それに対する自分たちの気持ち、特に「どうすればハッピーか」という認識を家族間で結びつけて合わせることにあります。
一口に認識を合わせると言っても、
例えば、「片づいている/片づいていない」「捨てる/捨てない」の認識すら驚くほど異なります。
付箋ワークは、まず、手放せない理由や捨てられない理由など、普段言いにくい言い訳を思う存分に書き出してもらいます。
目に見えない、「もったいない」や「愛着がある」といった感情の違いを目に見えるようにします。
このプロセスを通じて、夫婦の間の価値観の違いがはっきり見えてきます。
また、このワークを通して付箋に描かれた様々な感情が、
実は手放せない大きな理由だったという自覚が生まれます。
この付箋ワークは、単なる片付けの準備ではなく、自己分析であり、相互理解のステップとなります。
お互いの価値観やモヤモヤを可視化し、家族全員が納得できる共通の認識をもつための第一歩を踏み出します。

付箋ワークの進め方

1. UDE(望ましくない結果)の書き出し
日常の「ちらかる」「すてられない」というモヤモヤのいいわけを、付箋に1枚ずつ書き出します。
また、そこから派生するモヤモヤすることも追加で書き出します。
例)「洗濯物がたたまれない」「探し物ばかり」「片方だけが大変」など。

2. 原因と結果をつなげて構造を描く
物事には必ず、原因と結果があります。付箋を並べながら「なぜそうなるのか?」を話し合い、原因と結果で矢印でつなぎながら因果関係を可視化します。ある物事は原因でもあり結果でもあります。付箋を貼りなおしていくことで、
家族の不満が「構造的な課題」として浮き彫りになります。

3. 反転ワークで理想(DE)を見える化
構造化されたネガティブの塊を、構造をそのままに、ポジティブに置き換える作業を行います。「洗濯物がたたまれない」→「洗濯物がその日のうちに片づく」「探し物ばかり」→「家族全員が場所を共有できている」
こうして出てきた理想像が、家族の共通ゴールとなるのです。
これで現実と理想が明らかになります。その間を埋める手段がが擬人化メソッドや整理収納などの具体的な対策となるのです。
得られる効果

先に書き出すことで自分の気持ちがどれだけ強いか自覚でき、
物に対して強い思い入れがあるという自分の気持ちを受け入ることができます。
一度気持ちを受け入れると、物と感情を切り分けることができるようになります。
それにより冷静な判断ができるようになるのです。
また、共通の理想像を描くことでゴール設定が明確になり、
ゴールなき手段で感情のぶつかり合いをすることが無くなります。
家族全員で合意形成した“理想の家庭像”に向かって動けるようになります。
まとめ
効果的な心理的メカニズム
このワークが効果的であるポイントは主に二つ挙げられます。
思考の外部化(客観視):普段はあまり意識していない感情と目の前のものを、ある意味強制的に結びつけます。なんとなく捨てられないという曖昧な感覚を、「高かったから」「もったいないから」のように具体的な言葉にして書き出すことで、内側にある抵抗感を客観視するきっかけになります。
パートナーとの共有(事実ベースの対話):片付けは個人の問題と思われがちですが、共有空間ではコミュニケーションが不可欠です。このワークは、お互いが何を、なぜ大事にしているのかを手放せないのかを、感情的にぶつかるのではなく、事実ベースで可視化します。ここで価値観の違いが明らかになることが、次のステップに進むための重要な土台作りになります。
付箋ワークは、見えない不満や価値観を「見える化」し、家族で共通の地図をつくるための第一歩。
このプロセスを経ることで、家の中が整い、家族の心も整っていきます。

